寺山修司の短歌 62 雲の幅に
雲の幅に暮れ行く土地よ誰のためわれに不毛の詩は生るるや
「雲の幅に暮れる」というのは、太陽が雲の幅だけ影に隠れることから、行く手に障害が待ち受けているという暗示。
「土地」は、自分の居場所や人生の基盤を指すのだろう。
私は何のために実りのない詩作活動を続けてきたというのか、自分の居場所には暗雲が垂れ込めているというのに。
by 寺山修司(てらやま しゅうじ)
青森県出身の歌人、劇作家
演劇実験室「天井桟敷」主宰
言葉の錬金術師、昭和の啄木などの異名を持つ
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