寺山修司の短歌 124 目の前に


目の前にありて遥かなレモン一つわれも娶らむ日を怖るなり


「レモン」は、高村光太郎の「レモン哀歌」から引用された(智恵子との)壊れやすい愛の絆の象徴。
「娶る」は、妻として迎える。

目の前にあるのに、遠くに感じる(壊れ易い愛の絆を象徴する)レモンが一つ。私も妻として迎える日を怖れているのだ。

by 寺山修司(てらやま しゅうじ)  

青森県出身の歌人、劇作家   
演劇実験室「天井桟敷」主宰   
言葉の錬金術師、昭和の啄木などの異名を持つ 

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