シルクロードに想う
シルクロード
それはどこかエキゾチックな響きがあり、悠久のロマンを掻き立てられるが、そもそもどの地域を指す言葉で、どういう経緯でそう名付けられたのか…
実際に旅した訳ではないが、学生時代からの憧れもあり、暫し空想世界を旅してみたい。
ドイツの地理学者リヒトホーフェンが自らの著書の中で、古代中国の特産品である絹を西方の国々にもたらした交易路を「絹の道」と表現したことから、ユーラシア大陸の東西(一般的には中国の長安 = 現在の西安からローマ)を結ぶ交易路をそう呼ぶようになった。
※ ほかに、西安から洛陽、朝鮮半島を経て日本まで含める説もある。
(結局のところ、習近平政権が打ち出した「一帯一路構想」のベースになっていると見る)
通常ルートとしては、西安から敦煌に至る「河西回廊」、敦煌からトルファン、ウルムチ、イリ、ビシュケクを経てサマルカンドに至る「天山北路」、敦煌からトルファン、クチャを経てカシュガルに至る「天山南路」、そして、敦煌からタクラマカン砂漠を北に見ながら、ホータンを経てカシュガルに至る「西域南道」の4つのルートがあり、更にサマルカンド、バグダッド、イスタンブールを経て最終目的地ローマへと続くのである。
※ また、シルクロードとは別に、洛陽から大きく北に進路をとり、モンゴル、カザフスタンを経てイスタンブールに至る「草原の道」、中世以降では、広州からカルカッタ、カラチ、アレクサンドリアを経てローマへと海を辿る「南海ルート」が栄えた。
出発地点の西安とその城壁
※ 最古にして最大、最も保存状態の良い中国の城壁の1つで、朱元璋の統治下で軍事防衛システムとして建設された。
敦煌市にある仏教遺跡の莫高窟(ばっこうくつ)
※ 千仏洞、敦煌石窟とも称す。仏教美術として世界最大の規模で、1900年に隠し部屋から敦煌文書が発見(多くは大英博物館やフランス国立図書館、日本の龍谷大学などに散逸)された。
余談ながら、高校の授業でクラスの皆が「せっくつ」という言葉の響きに多感な反応を示す(「スやない、ツや亅等のざわめきが起こる)中、「〇〇(私の名)、ヨダレ拭け」と叫んだ奴がいて、クラス中がドッと沸いた…懐かしくも口惜しい想い出です(ヨダレは断じて垂れてなかった…と思う、自信はないけど)。
敦煌郊外にある砂漠のオアシス月牙泉と寺院、背後に見えるのは鳴沙山
※ 月牙とは中国語で三日月のこと。砂漠の中で何千年前から絶えることなく湧き続けている泉だそう。
また、鳴沙の謂れは、風が吹くと「砂が鳴く」ような音を出すことから。
かつて栄えた幻の王国「楼蘭」の遺跡
※ 楼蘭は、タクラマカン砂漠の北東部にかつて存在した都市及びその都市を中心とする国家。 「さまよえる湖」ロプノールの西岸に位置し、シルクロードが西域南道と天山南路に分岐する要衝にあった。
※ ロプノール湖は、20世紀半ば迄は存在が認められたが、タリム川にダムが建設されたことなどもあって、現在は再び干上がっている。
タクラマカン砂漠とラクダの隊商(キャラバン)
※ 中央アジア・タリム盆地の大部分を占める世界最大級の砂砂漠で、面積は約30万平方km。
ウイグル語で「死」や「無限」などを意味するタクラマカンは、昔は一度入ったら出られない死の砂漠と捉えられていた。
青の都サマルカンド
※ 13世紀にモンゴル帝国に滅ぼされたが、14世紀末に登場した英雄ティムールによって復興を遂げた。現在はサマルカンドブルーと呼ばれる青タイルの建築がならぶ「青の都」として注目されている。
シルクロードを舞台にした映画
『天山回廊 ザ・シルクロード』(原題:海市蜃楼 Mirage)は、1987年制作の中国・香港のアクション映画。
※ ある日、主人公は奥深い峡谷で蜃気楼の中に現われた美女の幻影を見る。一目惚れした彼は女を捜し求めるが、漸く捜し当てた女は、隊商を襲う残忍な盗賊団の首領だった。女首領役のパサ・ロマーニの美しさだけが印象に残った。
『敦煌』(中: Dun-Huang;英: The Silk Road)は、1988年の日本・中国合作映画。 原作は井上靖の小説「敦煌」。
※ 科挙の受験に失敗した主人公・趙行徳は、ひょんな事から西夏の傭兵の漢人部隊に編入される。
戦乱の中で、愛するウイグル王女・ツルピアを失った彼は、敦煌の文化遺産(書籍や経典)を守るべく、郊外の石窟寺院に運び出す。
中川安奈のデビュー作で、シャレた感じの美しい女優だったが、2014年に49歳で病死した。
4コメント
2021.10.05 03:46
2021.10.02 23:06
2021.09.25 16:33