寺山修司の短歌 24 大いなる
大いなる夏のバケツにうかべくるわがアメリカと蝶ほどの夢
「蝶」は何かよいことが起こる予兆や変身願望を意味し、「夏のバケツ」は広い海との対比で、熱に浮かされたような時期の狭い視野を暗示する比喩だろうか。
幼い頃、熱に浮かされたように夢見た大いなる海の向こうの新天地アメリカ。そこへ行けば全てが変わる気がしていたが、(今となっては)それはバケツに浮かべたようなちっぽけな夢に過ぎないのだ。
by 寺山修司(てらやま しゅうじ)
青森県出身の歌人、劇作家
演劇実験室「天井桟敷」主宰
言葉の錬金術師、昭和の啄木などの異名を持つ
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