寺山修司の短歌 39 父葬りて
父葬りてひとり帰れりびしょ濡れのわれの帽子と雨の雲雀と
「われの帽子」は自分の心の投影である。
「雲雀」の由来は、晴天の空高く飛んで鳴く様子から「日晴(ひはる)」が転じてひばりになったという説が有力。因みに、漢字の由来は雲に届くほど天高く飛翔する雀に似た鳥からきている。
父を葬って一人で帰る私の心は打ちひしがれ、晴天の空高く飛んで鳴くと言われる雲雀(日晴)も雨に濡れそぼって寂しげである。
by 寺山修司(てらやま しゅうじ)
青森県出身の歌人、劇作家
演劇実験室「天井桟敷」主宰
言葉の錬金術師、昭和の啄木などの異名を持つ
0コメント