寺山修司の短歌 74 とんびとやまの
とんびとやまの鉦たたき 手相人相家の相 みな大正の翳ふかき
「とんびとやまの鉦叩き」は、各地に伝わるわらべ唄(地域により歌詞が異なる手毬唄)の歌詞「からす神出の鉦叩き、とんび富山の太鼓打ち(神戸市西区版)」等から取られたと見られる。
「大正の翳」とは、大正浪漫(大正時代の都会の華やかさと不安感が混在した社会思潮及び退廃的で和洋折衷の雰囲気をまとった文化)の影響をいうのだろう。
今も日本各地に伝わるわらべ唄(=「とんびとやまの鉦叩き」)や(「手相、人相、家相」等=)観相学は、全て大正浪漫の影響を色濃く残しているのだ。
by 寺山修司(てらやま しゅうじ)
青森県出身の歌人、劇作家
演劇実験室「天井桟敷」主宰
言葉の錬金術師、昭和の啄木などの異名を持つ
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