寺山修司の短歌 77 燭の火に


燭の火に葉書かく手をみられつつさみしからずや父の「近代」 


「燭の火」は、燭火(しょっか)で、ともしび、あかり、灯火。
「(父が)葉書かく」のは、想像の世界の中であり、寺山の父は寺山が9歳の頃に戦病死している。

亡き父が手元を照らすあかりの下、家族に近況を知らせる葉書を書いている姿を想像し、寂しくはないのか、と嘆いているのだ。

by 寺山修司(てらやま しゅうじ)  

青森県出身の歌人、劇作家   
演劇実験室「天井桟敷」主宰   
言葉の錬金術師、昭和の啄木などの異名を持つ

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