寺山修司の短歌 118 煙草くさき


煙草くさき国語教師が言うときに明日という語は最もかなし


「煙草くさき国語教師」は、早稲田大学の教育学部国語国文学科に進学した寺山自身の暗喩。このようなどこか胡散臭さの漂う国語教師になったかも知れない自分を想像し、揶揄しているのだ。

煙草臭い国語教師(になったかも知れない自分)が口にする「明日」という言葉に込められた希望に満ちたニュアンスは、煙草の臭いのようにどこか胡散臭く、何よりも哀しい。

by 寺山修司(てらやま しゅうじ)  

青森県出身の歌人、劇作家   
演劇実験室「天井桟敷」主宰   
言葉の錬金術師、昭和の啄木などの異名を持つ 

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