寺山修司の短歌 122 たった一つの
たった一つの嫁入道具の仏壇を義眼のうつるまで磨くなり
「嫁入道具の仏壇」は、代々引き継がれてきたもので、代々のかつての嫁の魂が宿っているのかも知れない、知らんけど。
「義眼」は、磨かれた仏壇に映ると同時に、義眼の中に自身の姿も映している筈である。
たった一つの嫁入り道具である仏壇を義眼が映るまで磨き、その義眼には自身の姿(仏壇に込めた自身の思い)まで映り込んでいるのだろうか。
by 寺山修司(てらやま しゅうじ)
青森県出身の歌人、劇作家
演劇実験室「天井桟敷」主宰
言葉の錬金術師、昭和の啄木などの異名を持つ
0コメント