さよならだけが人生だ
元になった原文は、唐の時代の于 武陵(う ぶりょう)の作とされる「勧酒亅という漢詩で、
勧君金屈巵 満酌不須辞
花発多風雨 人生足別離
(きみにすすむ きんくつし
まんしゃく じするをもちいず
はなひらけば ふううおおし
じんせい べつりたる)
【原文】を語訳すれば、
「君に黄金の盃を勧める。杯になみなみと注ぐが遠慮はするな。漸く花が開いても、とかく風雨に散らされてしまうように、人生には別れがつきものだから。」となり、
【英文】に意訳すれば、
I want you to drink up this golden cup silently.
The cup filled with sake is farewell to you.
Like the storm which comes when flowers bloom,life is full of good-byes.
とでも言おうか。
これを「山椒魚」などで知られる直木賞作の井伏鱒二が、
「この杯を受けてくれ どうか並々注がしておくれ 花に嵐のたとえもあるさ さよならだけが人生だ」
と秀逸な訳(『厄除け詩集』に収録)を付け、人口に膾炙したのだ。
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