私の好きな寺山修司の短歌12


これまでに採り上げた寺山修司の短歌124首の中から、特に気に入ったものを幾つか挙げてみました。

解釈が及ばず、見当違いなものもあるでしょうが、そこは温かい目でみてください(私なりの解釈は短歌を収めたページをご覧ください)。



マッチ擦るつかのま海に霧ふかし身捨つるほどの祖国はありや   

寺山修司の短歌 1 マッチ擦る

列車にて遠く見ている向日葵は少年のふる帽子のごとし          

寺山修司の短歌 2 列車にて

かくれんぼの鬼とかれざるまま老いて誰をさがしにくる村祭         

寺山修司の短歌 5 かくれんぼの

舐めて癒すボクサーの傷わかき傷羨みゆけば深夜の市電          

寺山修司の短歌 16 舐めて癒す


わがカヌーさみしからずや幾たびも他人の夢を川ぎしとして      

寺山修司の短歌 30 わがカヌー

漂いてゆくときにみなわれを呼ぶ空の魚と言葉と風と          

 寺山修司の短歌 34 漂いて

枯れながら向日葵立てり声のなき凱歌を遠き日がかえらしむ        

寺山修司の短歌 35 枯れながら

言葉葬けむりもあげずをはるなり紙虫のなかなる望郷の冬

寺山修司の短歌 44 言葉葬

銃声をききたくてきし寒林のその一本に尿まりて帰る           

寺山修司の短歌 45 銃声を

村境の春や錆びたる捨て車輪ふるさとまとめて花いちもんめ         

寺山修司の短歌 67 村境の

わかきたる桶に肥料を満たすとき黒人悲歌は大地に沈む           

寺山修司の短歌 86 わかきたる

広場さむしクリスマスツリーで浮浪児とその姉が背をくらべていたり    

寺山修司の短歌 97 広場さむし



鮮明に視覚に訴えかけて来るものや、詠みこむほどにジワッとくるもの等様々ですが、困った事に後から後から好きな歌が出て来ました。

さて、あなたの好きな歌は入っていましたか?



注)該当ページにはリンクしていません(アナログでスミマセン🙇)

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気の向くままに綴るお気に入りの映画や音楽、寺山修司の短歌など

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