寺山修司の短歌 15 わが通る


わが通る果樹園の小屋いつも暗く父と呼びたき番人が棲む 


「果樹園」は何やら楽しげで居心地のいい場所を連想させるが、その果樹園を守ってくれる番人が棲む「小屋」の中は暗く薄汚れている。

世の中には表もあれば裏もあるが、そうした現実をしっかり受け止め、支えてくれるような大人の男性に強く憧れ、父性を求めている。

by 寺山修司(てらやま しゅうじ)  

青森県出身の歌人、劇作家   
演劇実験室「天井桟敷」主宰   
言葉の錬金術師、昭和の啄木などの異名を持つ   

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