寺山修司の短歌 17 生命線
生命線ひそかにかへむためにわが抽出しにある 一本の釘
寺山は19歳でネフローゼと診断され、一時生死の境をさまよったことで常に死を意識するようになる。
当時は若いだけに相当の葛藤があったであろうことは想像に難くないが、「抽出し」が心の中にあるものならば、釘を使って変える対象は物理的な生命とは限らず、これまでの生き方や人生観なのかも知れない。
by 寺山修司(てらやま しゅうじ)
青森県出身の歌人、劇作家
演劇実験室「天井桟敷」主宰
言葉の錬金術師、昭和の啄木などの異名を持つ
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