寺山修司の短歌 41 冬の欅


冬の欅勝利のごとく立ちていん酔いて歌いてわが去りしのち 


欅(けやき)の名の由来は、際立って優れているという意味の「けやけき」からきている。

大いに飲んで歌った翌朝、宿酔の中で見た冬の欅の堂々とした樹形。それはまるで両手を広げ勝ち誇ったように立っていて、(自らの大き過ぎる自負故に)改めて自分の卑小さを思い知らされたのだ。

by 寺山修司(てらやま しゅうじ)  

青森県出身の歌人、劇作家   
演劇実験室「天井桟敷」主宰   
言葉の錬金術師、昭和の啄木などの異名を持つ 

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