寺山修司の短歌 43 空を逐われし
空を逐われし鳥・時・けものあつまりて方舟めけりわが玩具箱
「空」は行き場、滅ぼされんとする世界、「鳥」は自由に羽ばたける翼、「時」は時間と空間、「けもの」は野生の本能の象徴か。
「玩具箱」は自分の創作世界の比喩であろう。
行き場を失った鳥(自由に羽ばたける翼)や時(時空)、けもの(野生の本能)などを詰め込んだ私の創作世界は、まるでノアの方舟のようだ。
by 寺山修司(てらやま しゅうじ)
青森県出身の歌人、劇作家
演劇実験室「天井桟敷」主宰
言葉の錬金術師、昭和の啄木などの異名を持つ
0コメント