寺山修司の短歌 46 灯台に


灯台に風吹き雲は時追えりあこがれきしはこの海ならず 


風に吹かれて流される雲は、時を追うように、灯台(=自分たちの居る場所)を置き去りにして流れてゆく。
そして、眼前にとり残された海を見て(常に憧れ、求めることを止めない)青年は気付いたのだ、これは自分が求めてきた海ではないと。

by 寺山修司(てらやま しゅうじ)  

青森県出身の歌人、劇作家   
演劇実験室「天井桟敷」主宰   
言葉の錬金術師、昭和の啄木などの異名を持つ 

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