寺山修司の短歌 47 わが夏を
わが夏をあこがれのみが駈け去れり 麦藁帽子被りて眠る
「麦藁帽子」を被る根拠を①(楽しかった)少年時代の郷愁に求めるか、②(夢が叶わなかった)夏への憧れや悔しさに求めるか。
①であれば、
楽しかった少年時代の郷愁から、駆けるように去って行った夏を惜しんで麦藁帽子を被って眠ったのだろうし、
②であれば、
重い病のために外出もままならず、駆けるように去って行った夏への憧れから麦藁帽子を被って眠ったのかも知れない。
by 寺山修司(てらやま しゅうじ)
青森県出身の歌人、劇作家
演劇実験室「天井桟敷」主宰
言葉の錬金術師、昭和の啄木などの異名を持つ
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