寺山修司の短歌 50 古着屋の


古着屋の古着のなかに失踪しさよなら三角また来て四角 


「さよなら三角また来て四角」は、昔から各地に伝わる言葉の連想遊びのようなわらべ唄で、
さよなら三角また来て四角、四角は豆腐、豆腐は白い、白いは…と続くもの。

(古着屋の古着の如く)長い歴史を生き抜いて来た「古き良きもの」に取り込まれて自分を見失った先に待つのは、(「さよなら三角」のわらべ唄のように)転々と転がって行くだけの人生だ、という戒め、或いは自嘲かも知れない。

背景がわからないだけに勝手な想像になるが、常に新しいものに挑む青年を思い描いて解釈した。

by 寺山修司(てらやま しゅうじ)  

青森県出身の歌人、劇作家   
演劇実験室「天井桟敷」主宰   
言葉の錬金術師、昭和の啄木などの異名を持つ 

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