寺山修司の短歌 65 目をつむりて
目つむりて春の雪崩をききいしがやがてふたたび墓掘りはじむ
「目をつむりて」は、空想の世界で。
「春の雪崩」は、突然の思いがけない幸運、劇的な生活の変化が起こる前兆を暗示。
「墓を掘る」のは、過去のしがらみやトラブルから抜け出せずにいる、人間関係に苦しむ様子を暗示しているのだろう。
時に「春の雪崩」のような劇的な生活の変化を夢見たりもするが、結局は過去のしがらみから抜け出せずにいる自分に引き戻されるのだ。
by 寺山修司(てらやま しゅうじ)
青森県出身の歌人、劇作家
演劇実験室「天井桟敷」主宰
言葉の錬金術師、昭和の啄木などの異名を持つ
0コメント