寺山修司の短歌 68 わが捨てし
わが捨てし言葉はだれか見出さむ浮巣の日ざし流さるる川
「浮巣」は、アシの枯れ葉などで作った水面に浮かぶカイツブリの巣。
「言葉」は、気がかりな事や誰かに対するメッセージの暗喩か。
(カイツブリの)浮巣が日差しを受けて流されてゆく川に、私が捨てた言葉(=封印したメッセージ)を見つけ出そう(=受け止めよう)としてくれる人はいるだろうか。
by 寺山修司(てらやま しゅうじ)
青森県出身の歌人、劇作家
演劇実験室「天井桟敷」主宰
言葉の錬金術師、昭和の啄木などの異名を持つ
0コメント