寺山修司の短歌 97 広場さむし


広場さむしクリスマスツリーで浮浪児とその姉が背をくらべていたり


「さむし」は寂しい。
「浮浪児」は、寺山の時代を考えると戦争孤児であろうか。
「クリスマスツリー」は永遠の象徴。

戦争孤児かも知れない浮浪児の姉弟が、人の気配も途絶えた寂しい広場で、クリスマスツリー(永遠の象徴)で背比べをしていたのだ。
彼らに幸あらん事を祈らずにはいられない。

by 寺山修司(てらやま しゅうじ)  

青森県出身の歌人、劇作家   
演劇実験室「天井桟敷」主宰   
言葉の錬金術師、昭和の啄木などの異名を持つ

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