寺山修司の短歌 98 わが遠き
わが遠き背後をたれに撃たれゐむ寒林にきく猟銃の音
「遠き背後」とは、心の奥底に隠されたものの暗喩か。
「寒林」は、冬枯れの寒々とした林。
「撃たれゐむ」は、撃たれ+往むで、撃たれて死んでしまうことか(自信はないが)。
わが遠き背後を撃たれゐむように、私の心の奥底に隠されたものを誰かに撃たれてしまうのだろうか、冬枯れの寒々とした林に猟銃の音が響いている。
by 寺山修司(てらやま しゅうじ)
青森県出身の歌人、劇作家
演劇実験室「天井桟敷」主宰
言葉の錬金術師、昭和の啄木などの異名を持つ
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