寺山修司の短歌 103 にんじんの
にんじんの種子庭に蒔くそれのみの牧師のしあわせ見てしまいたる
にんじんの種子を庭に蒔き、その生長を眺めることだけに幸せを見出している牧師を見て、(まだ若く、希望や好奇心に満ちた青年である自分には)物足りなく、ツマラナイものを見てしまった、という思いなのだろう。
因みに、「牧師」はプロテスタント教会の聖職者で、正式な職名。
(それに対し、「神父」はカトリック教会や正教会、東方正教会の聖職者の尊称で、正式な職名は司祭)
by 寺山修司(てらやま しゅうじ)
青森県出身の歌人、劇作家
演劇実験室「天井桟敷」主宰
言葉の錬金術師、昭和の啄木などの異名を持つ
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