寺山修司の短歌 106 冬の犬


冬の犬コンクリートににじみたる血を舐めてをり陽を浴びながら


「冬の犬」は、自分の暗喩か。
「コンクリート」は、何かを覆い隠しているもの。
「血を舐める」のは、ストレスが昂じて感情がコントロールできなくなったりする暗示。
「陽を浴びる」は、陽光を浴びるほかに、今まで注目されなかったものが注目(クローズアップ)される意味も。

(冬の犬が陽光を浴びながら、コンクリートに滲んだ血を舐めているように)病める自分は、今まで抑え込んできたストレスが次第に表面化し、感情がコントロールできなくなっているのだろうか。

by 寺山修司(てらやま しゅうじ)  

青森県出身の歌人、劇作家   
演劇実験室「天井桟敷」主宰   
言葉の錬金術師、昭和の啄木などの異名を持つ

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