マイ・フェイバリット・ソングス 3


St. Thomas (セント・トーマス)


「サックスの巨人」と称されるソニー・ロリンズの名声を決定付けたモダン・ジャズの名盤「サキソフォン・コロッサス」(1956年リリース)に収録の一曲。

「セント・トーマス」とは、カリブ海に浮かぶアメリカ領ヴァージン諸島にある島の名前で、ロリンズの母親の出身地です。
自作とされるこの曲も、幼い頃から親しんできたカリプソ(カリブ海の音楽スタイルの一つ)の影響を受け、明るく躍動感に溢れる曲となっており、彼の温かみのある豪放なブロウと歌心溢れるアドリブと相俟って、時代を超えて愛される彼の最高傑作と評されています。

学生時代の私は、カリプソのリズムを持つ明朗闊達なこの曲にすっかり魅了され、ジャズに目覚めるきっかけともなりました。



You'd be so nice to come home to
(ユード・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥ)


1943年にコール・ポーターが作詞作曲した名曲で、数多くの歌手や奏者がこの曲をカバーしています。中でも、「ニューヨークのため息」と呼ばれるヘレン・メリルと「早逝の天才トランペッター」クリフォード・ブラウンが共演した「ヘレン・メリル・ウィズ・クリフォード・ブラウン」に収録のこの曲は有名で、セイコーウォッチの「ドルチェ&エクセリーヌ」等のCMにも使われました。

ここで紹介するのは、アメリカ西海岸を代表するサックス奏者アート・ペッパーとマイルス・デイヴィス・クインテットのリズム・セクション(レッド・ガーランド、ポール・チェンバーズ、フィリー・ジョー・ジョーンズ)との一期一会の共演が生んだ名盤「アート・ペッパー・ミーツ・ザ・リズム・セクション」(1957年リリース)に収録の一曲。

豪放でスウィンギーなペッパー作品の中でも絶頂期のものとされ、個人的に最も聴き込んだ曲の一つです。


I'd love to see you again

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